航空宇宙工学科
航空宇宙工房
大空と宇宙へ夢をのせて、
さらなる技術開発へチャレンジする。
航空機、宇宙機、ジェットエンジン、ロケットなど、「飛ぶもの」に関する5つのプロジェクト活動や研究活動を行っています。次世代のより良い世界のために、自啓自発の精神に富んだ、科学・技術の発展に貢献できる人物を育てています。
人力飛行機プロジェクト
人力飛行機というと、毎年夏に琵琶湖で行われている「鳥人間コンテスト」を思い浮かべる人が多いでしょう。日大理工学部では、公認サークル「航空研究会」が毎年参加し、学科全体として科学的にサポートしています。
世界記録への挑戦は、他大学にはない日大ならではの活動です。日大は1963年に日本人初の人力飛行機研究をスタートさせ、未公認ながら長距離飛行の世界記録を樹立したこともあり、現在でも公認の日本記録(49.2km)を持っています。
また、2014年には霞ヶ浦で周回飛行の世界記録に挑戦するなど「日大ならでは」の挑戦を続けています。
日大の飛行機製作の歴史は古く、1960年代にさかのぼります。当時、実機設計や実機飛行試験を大学で体験させることは不可能であり、真理を追究する大学として「モノ作り」はふさわしくないとする雰囲気がありました。そのような中、日大ではいち早く実機開発の企画・設計・製作・実験の一連の機会をもうけ、学生達に提供し続けてきました。例えば、昭和27年から始まる軽飛行機開発が故木村秀政教授の下に実施され、N-52、N-58、N-62およびN-70(モーターグライダー)等が開発されてきました。そして、その歴史の流れが1977年からの「鳥人間コンテスト」につながっています。1980年の第4回大会での優勝以降、大会での最多出場、最多優勝の記録を持っています。キミも自分たちの手で作り上げた人力飛行機を飛ばしてみませんか!


飛行ロボットプロジェクト
2006年から、日本航空宇宙学会主催のもとで「飛行ロボットコンテスト」が毎年秋(9~10月)に開催されています。「航空宇宙工房」では「飛行ロボットコンテスト」で優勝を狙う学生達をサポートしています。日大チームも第1回から出場し、第2回は飛行機部門で優勝するなど、毎回、入賞・受賞しています。
「飛行ロボットコンテスト」は、製図科目や航空工学、飛行力学など、航空機に関連した科目で学習したことを実践できる貴重な機会ですので「授業だけでは物足りない」「飛行機が好きでたまらない」という学生さんは是非、参加してみませんか!






先進宇宙構造物研究会
新しい宇宙構造物、特に、モータなどがなくても自動展開する構造物(自己展開構造物)や、折り紙のような構造物など、小さく収納して大きく拡げる展開構造物を考案し、宇宙ミッションに利用することを目指しています。具体的には、①力学や数学を学ぶゼミ、②電子回路やCAD、3Dプリンタを用いたものづくりのゼミ、③CubeSatと呼ばれる超小型人工衛星の設計・開発・運用法を学ぶゼミを通じて、宇宙構造物の設計・開発・運用のための基礎力を身に付けます。また、④実際にCubeSatを開発して打ち上げており、日々運用をしています。これにより、本物の衛星の宇宙での動作や衛星の運用法を学びます。そして、⑤展開構造物を利用して太陽系外の惑星の直接撮像を行うことで「第二の地球」を見つける(地球外生命体の存在可能性を示す)Starshadeなど、具体的なミッションを考え、システムの設計をしています。この研究会の目的は、設計だけでなく、コンセプトモデルを開発し、デモンストレーション(実証)をしたうえで、実システムを提案することにあり、「本物を目指そう!」がモットーです。一緒に宇宙に挑戦しませんか?


日大ロケット研究会
ロケットが好きな学生が集まっている研究会で、1年生から3年生までが参加しています。日大ロケット研究会は、「ロケットを作って、飛ばして、楽しむ!」が基本です。
ロケットに関する基礎的な知識を習得しながら、モデルロケットを使用して実機の製作や打ち上げなどを体験して学んでいきます。このようにして習得した知識を活用して、ロケットコンテストへの出場やハイブリッドロケットの打ち上げに挑戦しています。全ては手作りから始めて、ゼロから作ることで多くの知識と経験を習得することができ、ロケットの設計、製作、打ち上げまでの全てを経験することができます。
2017年3月2日から4日にかけて開催された第13回種子島ロケットコンテストに初出場しました。ロケット部門のペイロード有翼滑空と高度の競技に2チームが出場し、初出場ながらペイロード有翼滑空では、プロダクト賞(三菱重工賞)を受賞しました。この賞は、機体の製作、緻密な設計に与えられるもので、「もの作り」の優秀さが評価されました。
また、卒業研究および大学院研究に直結した研究として、次世代のロケットの開発研究も行っています。小型のロケットを製作して、構造、エンジン、発射機構などの研究を行っています。将来、ロケットの技術開発に貢献できるような学生を育成しています。


日大自作ジェットエンジン
プロジェクト
小型で構造が簡単でも効率よく高速飛行できる新たなジェットエンジンを開発するプロジェクトです。過去で実施したマイクロジェットエンジンの開発をもとに、一部を電動化することにより、電気機器のもつ簡便さや制御性の良さと燃料の燃焼による高エネルギー利用を組み合わせたハイブリッドジェットエンジンを目指しています。
現在まで、基本構造となるモータージェットエンジンの制作を行いました。今後は電動ファン・燃焼器・ノズルについて勉強することから、反応性流体の数値シミュレーションなどのスキルを身につけて、実際に設計製作に携わります。海外研究機関からの訪問者に英語で説明したり、オープンキャンパスで高校生に説明したりと、外部への発表の機会もあり、モノづくりをするだけでなく、計画からアウトリーチまでを含めた一連の体験ができる場でもあります。大学院生や4年生の経験者を指導者とし、エンジンの魅力を知ると共に、学年を超えた絆を広げてもらいたいと思います。どこにもない素晴らしいエンジンをみんなでつくってみませんか?

衛星開発プロジェクト
数kgの超小型人工衛星を学生が開発し、打ち上げて運用しています。また、小学生から一般の方々まで、国内海外様々な方々に対して自分達の活動を紹介したり、衛星関連のモノづくり教室を開くなどのアウトリーチ活動をしています。
これまでに3機の超小型衛星を開発しました。1機目のSEEDSは2006年にロシアのDneprロケットで打ち上げられ、残念ながらロケットのエンジントラブルで失敗。2008年にはSEEDS-IIがインドのPSLVロケットで。2014年にはSPROUTがH-IIAでの打ち上げに成功し運用をしています。また、次期衛星NEXUSを日本アマチュア衛星協会の方々と共同開発しています。
大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)の加盟団体として、衛星開発に関する他大学との連携、情報交換も行っています。日本では多くの大学が超小型衛星を開発し、打ち上げていますが、実は、長期の運用に成功している大学はそれほど多くはありません。実際、日大の他には東大、東工大、東北大くらいです。これからも、ユニークな衛星の開発・運用で、世界にアピールしたいと思います。






